建設業が税務調査で注意すべきポイント

建設業は他の業種と比べて、税務調査において注意すべき点が多い業種になります。
建設業は、工事の受注や完成のタイミング、下請業者との取引、材料費や外注費の扱いなど、会計処理が複雑になるためです。
税務署も建設業特有のリスクを把握しているため、建設業は調査対象となることが多いです。
本記事では建設業が税務調査で注意すべきポイントを解説します。

◆税務調査で注意すべきポイント
①売上を計上するタイミング
建設業は、売上計上のタイミングに工事完成基準または工事進行基準を適用します。
工事完成基準は、工事が完了した時点で売上を計上する方法になります。
工事進行基準は、工事の進捗に応じて売上を計上する方法です。
どちらの基準を採用するかによって、利益の計上時期が変わるため、選択した基準を適切に運用し、契約書や請負書、工事進捗報告書などの証票書類を整理しておく必要があります。
不自然な売上の偏りがあると、調査対象になりやすくなります。

②外注費と給与の区別
建設現場では、外注業者を多く使うことが一般的です。
ここで注意すべきなのが「外注費」と「給与」の区別になります。
形式的には外注契約を結んでいても、実態としては時間的な拘束や指揮命令があるなどといった労働者に近い働き方をしていれば、税務署から「給与」と判断されます。
給与として判断された場合、源泉徴収漏れや社会保険未加入の指摘につながる恐れがあります。

③経費の過大計上
建設業では材料費や設備のリース料など、多くの経費が発生します。
その中には、実際に存在しない架空の取引先や経費、またはプライベートの経費を含めるといったリスクがあります。
領収書や請求書が存在していても、実体のない取引とみなされると経費計上が認められません。
経費については、納品書や発注書、写真など発生した事を証明出来る資料も合わせて保管しておくことをおすすめします。

④現金取引の管理
中小の建設業者では、現金での取引が多く行われています。
この場合、帳簿に記録されない「裏金」や「使途不明金」とみなされる可能性があり、税務署は特に現金出納帳の整合性を厳しくチェックします。現金での出入りは必ず帳簿に記録し、領収書などと突合できるようにしておくことが重要です。

⑤資産計上と費用計上
工具や機械などの設備を購入した場合、金額が10万円以上のものは、原則として固定資産に計上し耐用年数にわたって減価償却をします。
しかし、購入時に一括で費用計上してしまうと、税務署から指摘対象となります。
このような指摘を避けるために、固定資産台帳を整備し、購入金額や耐用年数に応じた正しい処理をすべきです。

◆まとめ
建設業は、税務調査の入る可能性が高い業種になります。
実際に税務調査が入った場合、上述したポイントを中心に細かいチェックを受けることになります。
税務リスクを下げるために、領収書や請求書などの証憑書類の整備や、正確な会計処理を行い、日頃からいつでも税務調査を受けても問題ないように準備しておくことが大切です。
何かご不明な点がございましたら弊所へいつでもお問い合わせ下さい。

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