バーチャルオフィス利用と税務調査の関係

◆はじめに
近年、リモートワークの普及によりバーチャルオフィスを利用して創業する事業者が増えています。
コストを抑えつつ住所を確保できるという利点から、起業初期の選択肢として人気です。
一方で「バーチャルオフィスだと税務署に目を付けられるのでは?」と不安を感じる声も少なくありません。
結論として、バーチャルオフィスの利用それ自体は問題なく、法律上も禁止されていません。
ただし運用方法によっては税務署から事業実態を疑われ、結果として税務調査の対象となりやすくなることがあります。
重要なのは、適切な管理と実態を説明できる体制です。

◆税務署が注目するポイント
バーチャルオフィスだから調査が来る、という単純な話ではありません。
調査対象となりやすいのは、あくまでリスクのある運用をしている場合です。
特に次の3点は注意すべきポイントです。

① 登記住所と実際の事業場所の乖離
従業員が10名いるのに作業場所が不明、打ち合わせ場所が一定しないなど実在性に疑問が残ると、調査対象になる可能性が高まります。

② 経費計上の不自然さ
売上に比べ交通費・交際費が極端に多い、レシートに業務関連性が見られないといった場合、領収書の真正性を疑われやすくなります。

③ 消費税還付申告が頻繁
還付自体は制度として認められていますが、バーチャルオフィスで売上が少ないにもかかわらず多額の還付を受けると、事業実態の確認が厳しく行われます。

◆事業実態を証明するための書類整備
調査リスクを下げる最大の対策は、実態を示す資料を日頃から整理しておくことです。
特に以下は必須と言えます。

①取引記録・業務日報
②納品データ・制作物
③顧客とのやり取り(メールやチャットログ)
④打ち合わせ議事録
⑤クラウドサービスの利用履歴
特別な書式は不要ですが、第三者が見ても業務実態が読み取れる整理方法が望ましいです。

◆経費計上の正しい考え方
バーチャルオフィスの利用料は 支払手数料または地代家賃として計上可能です。
ただし、経費性を説明できることが前提であり、高額なプランを利用している場合は必要性を証明できる資料を確保しておきましょう。
また、自宅兼事務所で業務を行う場合は家事按分に注意が必要です。
専用スペースが明確であれば30〜40%ほど按分計上できる事例もありますが、プライベートと完全に分離できていない場合は割合を低く見積もるのが妥当です。
間取り図・写真で明確化しておくことが後の防御力になります。

◆税務調査に備える心構え
調査が来た際は、税理士への事前連絡、帳簿・請求書・通帳・領収書などの3年分の資料準備が重要です。
回答に迷う質問はその場で即答せず、税理士に相談しながら対応しましょう。
調査官は敵ではなく、あくまで適正な申告を確認する立場です。
正確な書類管理と誠実なコミュニケーションがもっとも効果的な防衛策です。

◆まとめ
バーチャルオフィスはコストメリットが大きい一方、使い方によっては税務署から実態確認を受けやすいという特徴があります。
抑えるべき3つの鉄則として下記が挙げられます。
①実態を証明できる書類を整える
②経費計上は合理性と関連性を明確にする
③登記住所と活動場所を正確に区別する

これらを徹底していれば、バーチャルオフィスでも安心して事業を運営できます。
今回の記事で何かご不明な点がございましたら、是非弊所までご相談下さい。

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