仮払金・立替金とは?放置による税務リスクと実務対応

◆はじめに
仮払金や立替金は、日常の経理実務において頻繁に登場する勘定科目であり、「一時的な処理」として安易に使われがちです。
しかし、その性質上、精算や整理が後回しになりやすく、気付かないうちに長期間放置されているケースも少なくありません。
仮払金・立替金を放置すると、税務調査において役員給与認定や貸付金認定、使途不明金として否認されるなど、重大な税務リスクにつながる可能性があります。
本記事では、仮払金・立替金の基本的な考え方から、放置によるリスク、実務上の対応策までを整理して解説します。

◆仮払金と立替金の基本的な考え方
仮払金とは、支出の内容や金額が確定していない段階で一時的に処理するための勘定科目です。
代表的な例として、出張費の概算支給や、後日精算予定の経費などが挙げられます。

立替金は、本来は従業員や取引先が負担すべき費用を、会社が一時的に立て替えた場合に使用します。
支出内容や相手先が明確である点が、仮払金との大きな違いです。

仮払金・立替金はいずれもあくまで一時的な処理であり、最終的には精算・回収・費用計上などにより解消されることが前提となっています。

◆仮払金、立替金が放置されやすい理由
仮払金や立替金は貸借対照表に残高として残っていることが多いです。
長期間残ってしまう背景には、次のような要因があります。

放置されやすい主な原因
・精算漏れや証憑の未回収
・役員、代表者への支出を曖昧に処理している
・担当者変更時の引き継ぎ不足
・少額であることによる管理意識の低下

特に中小企業では、代表者個人に関する仮払金が何年も残っているケースも珍しくありません。

◆税務上の注意点
① 役員給与・賞与と認定されるリスク
仮払金や立替金の相手先が役員であり、長期間にわたって精算されていない場合、税務署から「実質的な役員への金銭供与」と判断される可能性があります。

想定される指摘内容としては下記ケースが考えられます。
・役員給与または役員賞与として認定
・損金不算入
・源泉所得税の追徴

特に、返済の実績や返済計画が存在しない場合は、否認されるリスクが高まります。

② 貸付金認定と認定利息の問題
長期間放置された仮払金は、仮払金の相手先に対する貸付金と判断されることがあります。
貸付金と判断された場合、会社が役員や従業員に対して無利息で貸し付けているとみなされ、
税務上、認定利息を益金計上するよう指摘されることがあります。
金額が大きい場合や、複数年にわたって残高が動いていない場合は、特に注意が必要です。

③ 使途不明金として否認されるリスク
内容が不明確なまま放置された仮払金は、税務調査において「何に使ったのか説明できない支出」と判断される可能性があります。
この場合に想定されるペナルティとしては下記ケースが考えられます。
・損金不算入
・過年度修正による追徴課税
・重加算税の対象

税務調査の際に、証憑がなく、説明もできない状態は、非常に危険です。

◆実務上の対応策
仮払金・立替金を適切に管理するためには、次の対応が有効になります。
・毎月または四半期ごとに実施する定期的な残高確認
・精算期限を明確に設定
・内容、相手先、目的を帳簿に明記
・役員分については特に厳格に管理
・回収不能の場合は適切な処理(給与認定、雑損処理等)を検討

決算時には、「この仮払金・立替金は本当に、『仮』なのか」を必ず見直すことが重要になります。

◆まとめ
仮払金・立替金は便利な勘定科目である一方、放置すると税務リスクが極めて高い項目です。
「とりあえず仮で処理したまま」になっていないかを今一度確認し、早期の精算・整理を心がけましょう。
何か不明点があれば、お気軽に弊所へご相談下さい。

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