源泉徴収が必要な報酬とは?実務で迷わない判断ポイントを税理士が解説

◆はじめに
源泉徴収というと給与に関する制度を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、実務では給与以外の「報酬・料金等」に対する源泉徴収で誤りが生じやすく、税務調査でも指摘されやすい項目の一つです。
特にフリーランスや士業、講師などの個人へ報酬を支払う場合、「源泉徴収が必要とは思わなかった」という理由で未処理となっているケースも少なくありません。
本記事では、国税庁の見解を踏まえつつ、実務で判断に迷いやすいポイントを整理します。

◆源泉徴収が必要かどうかの基本的な判断軸
源泉徴収の要否は、次の2点を押さえることで判断できます。
一つ目は支払先が個人か法人かという点です。
個人への支払いは源泉徴収の対象となる可能性がありますが、法人への支払いは原則として対象外です。
二つ目は、支払内容が源泉徴収対象とされている報酬・料金等に該当するかという点です。
業務委託契約であっても、請求書が発行されていても、源泉徴収が不要になるわけではありません。
契約形態や名称ではなく、支払の実態が何に対する対価なのかが判断基準となります。

◆源泉徴収が必要となる代表的な報酬・料金の具体例
実務でよく登場する源泉徴収対象の報酬には、次のようなものがあります。
原稿料や執筆料、監修料などの文筆業に関する報酬、セミナーや研修における講演料、弁護士・税理士・公認会計士・司法書士など士業への業務報酬、モデルやタレント、プロスポーツ選手への報酬、映画やテレビ、舞台などへの出演料、さらにホステス等への報酬も対象です。
これらは、報酬の名称が「コンサル料」「謝金」「協力費」などとなっていても、実質が該当すれば源泉徴収が必要になります。

◆源泉徴収の対象となる金額と除外できる費用
源泉徴収を行う際の対象金額には、原則として消費税相当額も含まれます。
ただし、請求書等で報酬額と消費税額が明確に区分されている場合には、報酬部分のみを源泉徴収の対象とすることが可能です。
また、交通費や宿泊費については、支払者が直接交通機関や宿泊施設に支払うなど、通常必要と認められる範囲の実費であれば、報酬に含めず源泉徴収不要とされます。
一方で、報酬と一括して現金等で支払う場合には、名目にかかわらず源泉徴収の対象となるため注意が必要です。

◆法人への支払でも源泉徴収が必要となる例外ケース
法人に対する支払いは原則として源泉徴収不要ですが、例外的に源泉徴収が必要なものがあります。
その代表例が競馬の賞金です。
馬主が法人である場合でも、賞金支払時には源泉徴収を行う必要があります。
法人宛てだからといって一律に源泉徴収不要と判断するのは危険です。

◆まとめ
源泉徴収が必要な報酬かどうかは、「個人への支払いか」、「支払内容が対象報酬に該当するか」という二つの視点で判断します。
特に個人への業務委託報酬は、源泉徴収漏れが起こりやすく、後日指摘を受けると追徴税額や加算税が発生する可能性があります。
支払時点での正確な判断が、税務リスクを防ぐ最も確実な方法といえるでしょう。
ご不明な点がございましたら、是非弊所までご相談ください。

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