副業20万円ルールの正しい理解と実務対応

◆はじめに
確定申告の時期になると、「副業の所得が20万円以下なら申告しなくてもよい」という話をよく耳にします。
しかし、このルールは適用条件や例外を正しく理解していないと、申告漏れや住民税の未申告といった思わぬリスクにつながります。
令和7年分の確定申告において特に誤解が多いポイントを整理し、実務上の判断基準を解説します。

◆「20万円以下」の判定は、収入ではなく所得で行う
「20万円以下申告不要」の判定基準となるのは、売上や入金額ではなく、必要経費を差し引いた後の所得金額です。

【所得金額の考え方】

副業の所得は次の算式で求めます。
所得 = 収入金額 - 必要経費

例えば、副業の売上が30万円あったとしても、仕入代や通信費などの必要経費が12万円かかっていれば、所得は18万円となります。この場合、所得は20万円以下となるため、一定の条件のもとでは所得税の確定申告は不要となります。

【実務上の注意点】
所得を正確に計算するためには、日頃から経費の証憑を保存しておくことが不可欠です。
特に副業はプライベート支出と混在しやすいため、
・領収書の保管
・利用目的のメモ
・口座やクレジットカードの区分管理
などを徹底しておく必要があります。

◆還付申告を行う場合は20万円以下の所得も申告が必要
給与所得者で勤務先が1か所のみ、かつ年末調整が済んでいる場合には、副業所得が20万円以下であれば所得税の確定申告は不要とされています。
しかし、医療費控除やふるさと納税などの寄附金控除を受けるために還付申告を行う場合は取扱いが異なります。
よくある誤解として、「副業所得は20万円以下だから、還付申告では給与所得だけ記載すればよい」といった認識は誤りです。

確定申告書を提出する以上、本来申告不要とされる所得も含め、すべての所得を記載する必要があります。
20万円以下の申告不要制度は、「申告をしない場合に限り認められる特例」です。
還付を受けるために申告を行う場合には適用されない点に注意が必要です。

◆住民税は20万円以下でも原則申告が必要
所得税で確定申告が不要となる場合でも、それで手続きがすべて完結するわけではありません。見落とされがちなのが住民税の取扱いです。

【所得税との制度の違い】
住民税には、所得税のような「20万円以下申告不要制度」がありません。
そのため、副業所得が少額で所得税の確定申告をしない場合でも、原則として市区町村への住民税申告が必要になります。

実務上の対応としては次のいずれかになります。
・所得税の確定申告を行い、住民税申告を省略する
・所得税の確定申告をしない場合は、住民税申告を別途行う

自治体によって取扱いや様式が異なるため、事前に確認しておくと安心です。

◆副業がある給与所得者の実務上の判断フロー
副業がある場合、次の順序で判断すると整理しやすくなります。

①副業の所得金額を計算する
②所得が20万円を超えるか判定する
③医療費控除や寄附金控除などで申告する予定があるか確認する
④所得税の申告をしない場合は住民税申告の要否を確認する

この流れで確認することで、申告漏れのリスクを大きく減らすことができます。

◆まとめ
令和7年分の確定申告において、「副業20万円ルール」は次の3点を正しく理解することが重要です。

・判定基準は収入ではなく所得金額である
・還付申告をする場合は、20万円以下の所得も含めて申告が必要
・住民税には申告不要制度がないため別途申告が必要になる

この制度は便利な特例である一方、適用範囲を誤ると申告漏れにつながります。
副業を行っている給与所得者の方は、自身の状況に当てはめて早めに確認し、適正な申告を行うことが重要です。
必要に応じて専門家へ相談することで、税務リスクの回避と適切な節税の両立が可能となります。
何かご不明な点がございましたら、お気軽に弊社へご相談ください。

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