会社役員とは?種類・仕事内容についてポイントを解説
会社役員とは、一般的に会社の経営や運営に関する重要な決定を行う職務を担う人々を指します。彼らは会社の方針を決定し、業務の指揮を執る役割を果たしています。この記事では、会社役員の種類とそれぞれの仕事内容について詳しく解説します。
取締役から監査役、そして執行役員まで、役員の種類は多岐にわたり、それぞれが会社運営において重要な役割を担っています。会社役員の職務を理解することは、会社組織の効果的な運営を学ぶ上で不可欠です。これから会社役員に就任する方、または企業経営に関心を持つ方にとって、この記事が有用な情報源となることを願っています。
会社役員とは
会社の役員とは、法律上は会社法の定める「取締役」「会計参与」「監査役」の三役を一般的に指します。また会社法施行規則では、執行役も会社の役員に含め、広義の役員と呼ばれます。会社役員とは、企業の経営や運営において重要な役割を担う人々のことを指し、会社の基本的な方針や戦略の決定、業務の監督などを行います。
一般社員は、役員と異なり会社の経営方針や戦略決定には直接関与せず、会社が定める業務を遂行する役割を担います。社員は、具体的な業務執行や日々の業務運営に従事し、会社の目標達成に貢献することが期待されています。
株式会社においては取締役等いわゆる役員と従業員では前者は委任契約、後者は雇用契約が締結されているのが一般的です。
参考:
会社法施行規則
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=418M60000010012
日本税理士会連合会 会計参与制度
https://www.nichizeiren.or.jp/taxaccount/sme_support/accounts/
公益社団法人日本監査役協会 監査役とは
https://www.kansa.or.jp/system/about/
No.5200 役員の範囲|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5200.htm
会社役員と一般社員の違い
会社役員と一般社員の違いは多面的で、雇用形態、報酬、責任、評価の面で顕著に現れます。
雇用形態において、会社役員は通常、株主総会や取締役会によって選出され、一定の任期を持つことが多いです。これに対し、一般社員は会社によって採用され、無期または期間の定められた労働契約に基づいて勤務します。役員は契約上の雇用関係にあるわけではなく、会社を代表する地位にあるため、従業員としての地位は基本的に持ちません。また、一般社員の場合、雇用契約であることから、雇用保険や労災保険の適用を受けますが、役員の場合にはこれらの適用を受けない点も異なります。
報酬の面では、役員の報酬は「役員報酬」として支払われ、これは株主総会や取締役会で決定されます。一方、一般社員の報酬は給与として支払われ、その額や計算方法は雇用契約や会社の規定によって決まります。役員報酬は、「定期同額給与」、「事前確定届出給与」、「利益連動給与」の3つが基本です。
責任の面では、会社役員は会社経営における重大な決定を行い、会社全体の方向性を定める責任を担います。彼らは法律上、会社に対して忠実義務や善良な管理者の注意義務を負っており、その決定が会社に与える影響が大きいです。一般社員は、与えられた職務範囲内での業務遂行に責任を持ち、役員の指示に従って日々の業務を行います。
評価の違いに関しても、役員は会社の業績や経営成績によって評価されることが多く、役員の業績は直接会社の成功や失敗に結びつきます。一方で一般社員の評価は個人の業績や目標達成度に基づき、その業務内容や貢献度によって決まります。
これらの違いは、会社役員と一般社員が企業内で担う役割と責任の性質が根本的に異なることを反映しています。役員は経営の最前線に立ち、会社全体の運命を左右する決定を下す立場にあり、一方で一般社員は指定された職務範囲での貢献に集中します。
会社設立時に役員を決めるときの注意点は?
株式会社を設立する際は、複数の人が株主となって出資をする場合もありますが、役員を決める際には、いくつかの重要な注意点があります。まず、役員の選定は会社の将来の方向性や経営スタイルに大きな影響を及ぼすため役員として適任な人物を選ぶことが不可欠です。適任な人物とは、その業界やビジネスの知識はもちろん、経営に関する経験やスキルを有し、会社のビジョンや価値観に合致する人物です。
また、役員の構成にはバランスが必要です。異なる背景や専門知識を持つメンバーを揃えることで、一面的な意見に偏ることなく、幅広い視野から経営判断を行うことが可能になります。例えば、財務、マーケティング、法務、ITなど会社運営に必要なさまざまな分野の専門家を役員に迎えることが考えられます。
さらに、役員には企業の法律的な責任が伴います。役員が果たすべき法的義務や責任について十分に理解しているかどうかが重要です。役員は企業統治において重要な役割を果たすため、法的な遵守事項や倫理的な基準を理解し、適切に行動することが求められます。
役員選任にあたっては、株主や関係者とのコミュニケーションも大切です。特に株主総会では、役員選任に関する透明性や説明責任が重視されるため、選任プロセスや候補者の適格性について明確に伝える必要があります。
このように役員の選定は組織の文化や風土にも影響を及ぼす可能性があります。したがって、会社の文化や価値観に適合する人物を選ぶことが重要です。
まとめ
会社役員は、会社の経営方針や業務の実行において重要な役割を果たす存在です。役員の仕事内容は、経営戦略の策定、業務方針の決定、財務やリスク管理など、会社運営における重要な決断を伴います。役員は会社の経営に大きな影響を与えるため、高い倫理観と責任感、専門知識が求められます。また、役員は法律に基づいて会社に対する責任を負うため、法的な義務を遵守し、透明かつ倫理的な経営を心掛けることが不可欠です。
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