一人親方・個人事業を開業する際に提出する届出書について解説

一人親方や個人事業を開業する際には、適切な法的手続きを行うことが重要です。この記事では、一人親方や個人事業主として活動を開始するために必要な届出書について詳しく解説します。必要な書類の種類から記入方法、提出先まで、開業に必要な手続きを一つ一つ丁寧にご案内します。これから独立を考えている方、新たに事業を始めようとしている方にとって、お役に立てれば幸いです。

個人事業の開業届出書

個人事業の開業届出書は、個人で事業を開始した際に提出する届出書です。青色申告であっても白色申告であっても必ず提出するものになります。開業をした日から1か月以内に提出する必要があるので、忘れずに提出をしましょう。

参考

個人事業の開業届出・廃業届出等手(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

個人事業の開業・廃業等届出書サンプル

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/05.pdf

所得税の青色申告承認申請書

所得税の青色申告を希望する場合、青色申告承認申請書を期限までに税務署へ提出することが必要です。この申請書を一度提出すれば、次年度以降も青色申告の利用が可能になります。

新たに個人事業を始め、その開始年に青色申告を利用したいと考える場合、事業開始から2ヶ月以内にこの申請書の提出が求められます。事業開始年の翌年以降に青色申告を利用する場合は、その年の3月15日までに申請書を提出することで、当該年度から青色申告の適用を受けることができます。

参考

所得税の青色申告承認申請手続(国税庁)

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm

所得税の青色申告承認申請書サンプル

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/10.pdf

給与支払事務所等の開設届出書

個人事業主が家族や従業員へ給与を払うようになった場合、以下の書類を税務署へ提出する義務が生じます。

「給与支払事務所等の開設届出書」は、家族や従業員に対して給与の支払いを開始した際に必要な届出書です。この届出書は、給与の支払いを開始した日から1か月以内に提出する必要があります。

参考:

給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出(国税庁)

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_11.htm

給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書サンプル

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/010705/pdf/008-1.pdf

青色事業専従者給与に関する届出書

青色申告制度を利用することで、事業に協力してくれる家族に給与を支払うことが可能です。これは青色事業専従者給与と称されます。

青色事業専従者として認められるためには、以下の基準を満たす必要があります。

  • 青色事業者と同じ生計を営む家族であること(事業者の収入に依存している)。
  • その年の12月31日時点で15歳以上であること。
  • その年の6ヶ月以上(開業年の場合は年間の半分以上)該当事業に従事していること。

青色事業専従者給与を支払う際には、「青色事業専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。この届出書の提出期限は青色申告承認申請書と同じです。開業年から青色事業専従者給与を支払う場合は、開業日から2ヶ月以内に、翌年以降はその年の3月15日までに提出する必要があります。ただし、届出書に記載した金額を超える給与の支払いや、業務内容に鑑みて不適切と判断される過大な給与の支払いは、給与として認められないので注意が必要です。

参考

青色事業専従者給与に関する届出手続(国税庁)

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/12.htm

青色事業専従者給与に関する届出書サンプル

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/h28/13_14.pdf

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

従業員や家族に給与を支払う際は、源泉所得税の天引きが必要です。この天引きした税金は、基本的には翌月の10日までに納付することが求められます。

ただし、従業員や給与を受け取る家族が常時10人以下の場合、特別な手続きを行うことで源泉所得税の納付方法が変更可能です。具体的には、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出することにより、源泉所得税を毎月納付する代わりに、1月から6月までの分を翌年の7月10日まで、7月から12月までの分を翌年の1月20日までに一括して納付することができます。

毎月の源泉所得税の納付は一定の管理負担を伴います。従って、従業員が10人以下の場合は、この特例を利用することで手間を軽減できるため、申請を検討する価値があります。

参考:

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請(国税庁)

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_14.htm

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/010705/pdf/201601h268.pdf

源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例(国税庁)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2505.htm

まとめ

ここで紹介した個人事業開業や給与支払いに関連する届出書の中でも、特に注意が必要なのは「所得税の青色申告承認申請書」と「青色事業専従者給与に関する届出書」です。これらの書類の提出期限を遵守することが非常に重要です。もし期限を過ぎてしまうと、その年に青色申告を利用できなくなり、また、家族に対して給与を支払うこともできなくなってしまいます。したがって、これらの届出書は期限内に確実に提出するようにしましょう。

鈴木健志税理士事務所では、一人親方や個人事業主の開業サポート確定申告サポートも行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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