建設会計の勘定科目と普通の勘定科目とはどのように異なるのかを解説
建設業界では特有の勘定科目があり普通の企業では目にしないような勘定科目も出てきます。例えば「未成工事支出金」という勘定科目などがあります。当記事ではこうした建設会計特有の勘定科目や、それが用いられる理由などについてご紹介します。
建設業会計とは?
建設業は、「工事の着工から完成引渡しまで長い期間を要する」といった特殊性を持っています。売上高を計上するまでのサイクルが他の業種と比較して長く、完成した際には一度に多額の売上高が計上されることになります。
建設業であっても会計処理は一般的な企業と同じく「企業会計原則」がベースとなりますが、上記のような特殊性を勘案した独特な会計基準が設けられています。これを「建設業会計」といいます。
「建設業会計」は基本的に工業簿記に調整を加えたものと理解することができますが、勘定科目の表記が「売上高→完成工事高」「仕掛品→未成工事支出金」など変更されていたり、売上高の計上基準が「工事完成基準」と「工事進行基準」の2種類を選択適用可能であったりするなど、特殊な知識と仕訳が要求されます。
参考:
企業会計基準第 15 号工事契約に関する会計基準 (企業会計基準委員会)
https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/kouji-keiyaku.pdf
建設業会計と一般会計の対応
前述の通り、建設業会計では一般会計とは異なる勘定科目で仕訳をします。建設業会計と一般会計の対応表は下記の通りです。
貸借対照表
一般会計:建設業会計
売掛金:完成工事未収入金
仕掛品:未成工事支出金
買掛金:工事未払金
前受金:未成工事受入金
損益計算書
一般会計:建設業会計
売上高:完成工事高
売上原価:完成工事原価
売上総利益:完成工事総利益
建設業者は、一般企業と会計手法が異なります。商業・工業簿記を学んだ経理担当者であっても、独自の会計基準が分からず、ミスやトラブルも起こりかねません。建設業会計を行う場合は、建設業に詳しい税理士にチェックを受けてもらうことが重要です。
まとめ
建設業界では、独自の「建設業会計」を採用することで、企業の業績を正しく報告し、評価を受けることで、健全な経営を行うことができます。建設業に強い税理士をお探しなら、鈴木健志税理士事務所までお気軽にご相談ください。
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