給与として取り扱われてしまう事例について

◆給与として取り扱われてしまう事例

従業員へ支払う給与は、源泉徴収が必要となり、消費税法においても給与は課税取引に該当しない対象外取引になります。
したがって、税務調査で給与として認識されてしまうと、源泉徴収や消費税の対象外取引として仕入税額控除の適用を受けることが出来ません。
今回は給与として認識していなくても、給与扱いされてしまう実務においてよくあるパターンを紹介していきます。
①従業員へ社宅を貸している場合
従業員へ社宅を貸している場合、賃貸料相当額以上の金額を従業員から徴収していないと、会社が負担している社宅家賃は、従業員に対する給与として認識されてしまいます。
この賃貸料相当額は、固定資産税の課税標準額を用いて計算します。
給与課税されてしまうケースは一般的に、下記のような場合に給与として認識されてしまいます。
・社宅を従業員へ無償で貸している場合
・従業員から受け取っている家賃が実際の家賃の50%未満である場合

②従業員へ食事代を支給している場合
会社が従業員へ食事代を支給していることがあります。
この場合には、下記要件を満たしていなければ会社が従業員へ提供した食事代から3,500円を超える部分については、給与として認識される事になります。
・食事代の半分以上を従業員が負担している。
・下記算式の金額が1ヶ月あたり3,500円以上。
 食事代−従業員が負担している金額

③在宅勤務で使用する物品を従業員へ支給する場合
新型コロナウイルスが流行した2020年以降、在宅勤務を認める企業が増加しました。
在宅勤務を行うにあたり、仕事用の備品を支給した場合の取り扱いについて解説したいと思います。
・プリンターやパソコン、モニターなどを支給する場合→所有権が会社であれば給与課税はされない。従業員に所有権があれば給与課税される。
・従業員が使用した電気代や通信費などを支給する場合→業務に使用した部分は給与課税されない。

④結婚や出産などの慶弔関連を支給する場合
従業員が結婚や出産をした場合の祝い金や香典などを支給した場合、その金額が過度に高くなければ給与として課税されません。
慶弔関連の支給を考えている場合には、全従業員が公平に扱われるように、社内規定などを設けて支給額の根拠を説明できるように準備しておく必要があります。

◆給与として指摘された場合のペナルティ
前述した取引を税務調査で指摘され、給与として認識された場合には、指摘された金額に対する源泉徴収が必要になります。
さらに、ペナルティとして、追加で支払うべき源泉所得税の10%相当額の不納付加算税を納付する必要があります。

◆まとめ
会社が福利厚生として、従業員へ社宅家賃の補助や食事代、備品の提供など、前述した取引を行なっている事業者は、従業員から社宅家賃や食事代などをしっかりと徴収しているか、祝金や香典の金額が常識の範囲内であるか、などといった点を今一度見直す事が重要です。
給与課税されてしまうと、源泉徴収の発生だけでなく、消費税も仕入税額控除の適用が認められず、ペナルティの金額も多額になってしまいます。
社員に対して福利厚生をご検討されている事業者の方は、是非弊所へお問い合わせ下さいませ。

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