中小企業投資促進税制について
中小企業投資促進税制とは、中小企業が適用対象となる資産の購入を支援する制度です。
本記事では中小企業投資促進税制の概要や適用要件などについて解説していきます。
◆中小企業投資促進税制の概要
中小企業投資促進税制とは、中小企業における生産性向上などを図るために、一定の設備投資を行うことにより税制上の優遇措置を受けることが出来る制度になります。
優遇措置とは、7%の税額控除または取得価額の30%に対する特別償却のいずれかの適用を受けることが出来ます。
◆適用要件について
①適用対象者
中小企業投資促進税制の適用を受けることが出来る事業者は、青色申告書を提出している中小企業者のうち、下記要件を満たす場合に該当します。
・資本金額1億円以下の法人※
・農業協同組合、商店街振興組合等
・従業員数1,000人以下の法人や個人事業主※
※税額控除については、個人事業主と資本金3,000万円以下の法人が対象となります。
なお、対象となる業種は下記の通りです。
製造業、建設業、運送業、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、卸売業、小売業など特定の業種。
②適用対象設備
・機械および装置
1台あたりの取得価額160万円以上
・測定工具および検査工具
以下のいずれかに当てはまる場合
1台あたりの取得価額120万円以上
1台30万円以上かつ複数合計120万円以上
・一定のソフトウェア
1つあたり70万円以上かつ複数合計70万円以上
・貨物自動車
一定の普通自動車で貨物の運送の用に供されるもののうち車両総重量3.5トン以上※
・内航船舶
取得価額の75%が対象
※普通自動車 = 小型自動車・軽自動車・大型特殊自動車・小型特殊自動車以外の自動車
◆中小企業投資促進税制の優遇措置について
中小企業投資促進税制の優遇措置は前述したように、税額控除と特別償却が挙げられます。
注意点として、資本金3,000万円以下の中小企業と個人事業主は税額控除と特別償却のいずれか選択適用する事ができます。
一方で、資本金3,000万円を超える中小企業の場合、特別償却のみ適用する事ができます。
特別償却は、上記対象設備を取得した期において、通常の減価償却に加えて、取得価額の30%を特別償却として適用する事が出来ます。
税額控除は、上記対象設備を取得した期において、その期における課税所得に対する法人税額が算定された後、取得価額に対して7%の金額を法人税額から控除する事ができます。
◆まとめ
以上が中小企業投資促進税制になります。
中小企業投資促進税制は適用要件を満たしてさえいれば、適用する為の手続きは非常に簡単です。
法人の場合には、法人税申告書に「特別償却の付表」と「適用額明細書」を添付して管轄の税務署へ提出すれば完了です。
個人事業主の場合には、特別償却の適用時に青色申告決算書に、特別償却額を記入するだけになります。
税額控除の場合には、法人同様に「特別償却の付表」を添付して管轄の税務署へ提出すれば適用する事ができます。