インボイス制度における令和8年度税制改正

◆ はじめに
2026年4月、国税庁からインボイス制度に関する令和8年度税制改正の概要が公表されました。主なポイントは「8割控除の段階的縮小(7、5、3割控除への改正)」と「小規模個人事業者向け3割特例の創設」の2点です。
免税事業者から適格請求書発行事業者に転換した個人事業者にとって、今後の消費税負担が大きく変わる可能性があります。
今回の改正を機に、インボイス制度の中身を正確に理解し、適切な対応策を検討する必要があります。

◆2割特例の終了と3割特例の創設
現行の2割特例は令和8年9月30日までの日の属する課税期間をもって終了します。
その後継として創設されたのが「3割特例」です。
個人事業者である適格請求書発行事業者の令和9年分および令和10年分の消費税申告については、課税標準額に対する消費税額から控除する金額をその消費税額の70%とすることで、実質的な納付税額を30%に抑えることができます。
つまり、売上に係る消費税額の70%分を自動的に控除できるという措置です。
2割特例(納付税額=消費税額の20%)と比べると負担は10%増加しますが、通常の原則課税に比べれば依然として有利な制度といえます。

◆3割特例を適用できる事業者
3割特例を適用する為には下記要件を満たす必要があります。
①2割特例と同様に、免税事業者が適格請求書発行事業者となったこと
②課税事業者選択届出書を提出したことにより事業者免税点制度の適用を受けられなくなった課税期間であること
③3割特例の適用を受けようとする場合には、確定申告書にその旨を記載していること

◆控除割合の段階的な引き下げ
免税事業者など適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れにつき、一定割合を控除できる経過措置について、適用期限が2年間延長された上で、控除可能割合が見直されました。
改正後のスケジュールは下記の通りです。
現行の80%控除は令和8年10月以降に70%→50%→30%と段階的に引き下げられ、最終的にゼロとなります。
免税事業者との取引が多い事業者は、この縮小スケジュールを踏まえたコスト計算の見直しが急務です。

◆ 免税事業者との取引における注意点
見落とされがちな改正点として、一の適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れの合計額がその年または事業年度で1億円(改正前は10億円)を超える場合、超えた部分の課税仕入れについては本経過措置の適用が認められなくなりました。
改正前の10億円から一気に1億円へと基準が引き下げられた点は特に注意すべきです。
一定規模以上の事業者では、仕入れ先の登録状況の精査が不可欠となります。

◆ まとめ
令和8年度におけるインボイス制度の税制改正は、小規模個人事業者への「3割特例」の創設と、免税事業者との取引に係る経過措置の段階的縮小という2軸で構成されています。
特に個人事業者は、令和9年・10年分の消費税申告において3割特例の活用を検討するとともに、翌年以降の簡易課税制度への移行タイミングも含めて、早めに税理士へ相談することをお勧めします。
インボイス制度についてご不明な点がございましたら是非弊所へご相談下さい。

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