法人が不動産を買換える場合の買換え特例について

法人がこれまで事業で使用している不動産を売却して、既存の不動産に代えて、新たに不動産を購入した場合には、不動産の買換え特例という制度を利用して、税金を圧縮できる制度があります。
本記事では、不動産の買換特例について、概要を解説していきます。

◆不動産の買換え特例とは
不動産の買換特例とは、これまで事業などで使用していた不動産を売却した後、売却資金を元手に新たな不動産を購入した場合、従来の不動産を売却した際に発生した売却益に対する課税を一時的に抑える事が出来る制度です。
この制度は、売却時における課税を一時的に繰り延べる事が出来る制度であり、税金を直接減額するわけではない点を認識して頂く必要がございます。

◆買換特例の計算式
買換特例を適用した場合には、既存の不動産を売却した際に発生した売却益に対する課税を抑える事が出来ます。この場合の節税額としては実際にどのくらい節税出来るのか以下具体的な数値を用いて解説していきます。
下記算式によって算定された金額を圧縮損として、節税効果を受けることが可能です。

買換特例による圧縮損=圧縮基礎取得価額(注1)×差益割合(注2)×80%

(注1)新規購入不動産の取得価額又は既存不動産の譲渡価額のいずれか低い金額
(注2)差益割合=[譲渡価額-(譲渡資産の帳簿価額+譲渡時にかかった経費)]/譲渡価額

実際に、下記具体例より解説したいと思います。
なお、譲渡資産>取得資産を前提として計算しています。
・譲渡資産の譲渡価額10億円
・譲渡資産の帳簿価額2億円
・譲渡資産の譲渡費用1億円
・買替資産の取得価額3億円

① 不動産の売却益
10億-(2億+1億)=7億円

② 買換特例による圧縮損
2億(※譲渡資産の帳簿価額)×0.7(差益割合)×80%=1億1,200万円

③ ①−②
7億-1億1,200万=5億8,800万円

上記算定式に算出された圧縮損に対して、法人税率を乗じた金額が、買換特例によって法人税を売却時において圧縮する事が可能となります。

◆買換特例における適用要件
不動産の買換特例は、上述した通り、従来事業などで使用していた不動産を売却後、新たに不動産を購入した場合に適用することが可能になる制度です。
この不動産の買換特例を適用する為には、譲渡する不動産や購入する不動産について、一定の要件を満たしていないとこの制度の適用を受けることが出来ません。

以下では不動産の買換え特例を適用するための要件について解説していきます。

◆既存で使用していた不動産の適用要件
譲渡する不動産の適用要件は、下記項目を満たしている必要があります。
・譲渡した年の1月1日を基準として、所有期間が10年超であること
・国内の土地、建物、構築物のいずれかであること
・事業で使用していること
・令和8年3月31日までに売却していること

◆新たに購入する不動産の適用要件
購入する不動産の適用要件は、下記項目を満たしている必要があります。
・新たに購入する不動産を、譲渡した年の前年、譲渡した年、譲渡した年の翌年中のいずれかにおいて取得し、取得後、1年以内に事業の用に供すること
・国内にある300㎡以上の土地、建物、構築物であること
・購入する不動産が土地の場合、購入した土地の面積が、譲渡した土地の面積の5倍以内であること

◆不動産における買換特例のメリット・デメリット
・メリット
不動産の買換特例を適用した場合のメリットは、既存の不動産を売却した際に売却益が発生した場合、その売却益に対する課税を一時的に繰り延べることがメリットとして挙げられます。
一時的に抑える事で、売却時においてキャッシュの流出を防止することが出来、余裕資金を元手に利率の高い投資などを行う事が可能になります。

・デメリット
デメリットとしては、上述したように不動産の買換特例は課税の繰延べであり、売却益に対する課税を一時的に抑えるだけに過ぎません。
よって、買換特例により取得した不動産を売却した際には繰延べた売却益に対しても課税されてしまうので、注意が必要です。

◆まとめ
今回は不動産の買換特例について、基本的な内容や、メリット・デメリットについて紹介しました。
本記事では、不動産を売却した後に新たな不動産を購入するケースを例としましたが、購入した後に売却という逆のケースでも買換特例を適用する事は可能です。
今後、不動産の買い換えを検討している事業者様がおりあましたら是非、弊所へご相談ください。

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