令和9年から源泉徴収票の提出方法が変わる!「みなし提出」の仕組みと注意点

◆はじめに
給与を支払う事業者は、これまで従業員などに交付する「給与所得の源泉徴収票」とは別に、税務署へ提出する源泉徴収票を作成するとともに、市区町村へ「給与支払報告書」を提出する必要がありました。
しかし、令和9年(2027年)1月1日以後、源泉徴収票の提出方法が変わります。一定の条件を満たす場合、市区町村へ給与支払報告書を提出することで、税務署へ給与所得の源泉徴収票を提出したものとみなされる「源泉徴収票のみなし提出の特例」が始まります。
この制度によって、給与支払者の事務負担が軽減されることが期待されます。一方で、従業員への源泉徴収票の交付まで不要になるわけではありません。制度の概要と注意点を確認しましょう。

◆令和9年1月から「みなし提出」が始まる
これまで給与支払者は、給与支払報告書を従業員の住所地の市区町村へ提出する一方、税務署に対しても、提出範囲に該当する給与所得の源泉徴収票を提出する必要がありました。
令和9年1月1日以後は、市区町村に給与支払報告書を提出した場合、その給与支払報告書に係る給与所得の源泉徴収票について、税務署長に提出したものとみなされます。
つまり、一定の場合には、税務署提出用の源泉徴収票を別途作成して提出する必要がなくなります。
この特例は、令和8年分以後の給与所得の源泉徴収票などが対象です。国税庁は、令和9年1月以降に給与支払報告書をeLTAXで提出した場合、マイナポータル連携の対象となることも案内しています。

◆「従業員への交付」まで不要になるわけではない
みなし提出の特例を利用する際に、特に注意したいのが「源泉徴収票そのものを作成しなくてよい」という意味ではないことです。
この制度によって不要になるのは、原則として税務署への提出用の源泉徴収票を別途提出する事務です。
従業員などの受給者に交付する源泉徴収票については、これまでどおり作成・交付する必要があります。国税庁も「受給者へ交付する源泉徴収票は、引き続き、すべての受給者に対して作成・交付する必要がある」と明示しています。
したがって、給与計算や年末調整を行う際には、源泉徴収票の作成自体を省略するのではなく、税務署への提出方法が変わると理解しておくことが重要です。

◆給与支払報告書はこれまでどおり提出する
みなし提出の特例が始まっても、市区町村への給与支払報告書の提出が不要になるわけではありません。
給与支払者は、これまでどおり必要な給与支払報告書を市区町村へ提出します。その提出をもって、一定の要件を満たす給与所得の源泉徴収票について、税務署への提出があったものとみなされます。
給与支払報告書の提出方法には、eLTAX、光ディスク等、書面があります。特にeLTAXを利用すれば、自宅や事業所から給与支払報告書を作成・提出できます。
なお、源泉徴収票と給与支払報告書を同時に作成・提出できるeLTAXの「電子的提出の一元化機能」は、令和8年9月をもって終了する予定です。令和9年以降の実務では、変更後の提出方法を確認しておきましょう。

◆まとめ
令和9年(2027年)1月1日以後、給与支払報告書を市区町村へ提出することで、一定の条件のもと、その給与に係る源泉徴収票を税務署へ提出したものとみなされる制度が始まります。
この「源泉徴収票のみなし提出の特例」により、給与支払者は税務署提出用の源泉徴収票を別途提出する事務を省略できるようになります。
ただし、従業員などの受給者へ交付する源泉徴収票は、引き続きすべての受給者について作成・交付する必要があります。
また、給与支払報告書の市区町村への提出自体が不要になるわけではありません。令和9年以降の年末調整・法定調書事務に備え、給与支払報告書の提出方法や、利用している給与計算・会計ソフトの対応状況も早めに確認しておくとよいでしょう。
何かご不明な点がございましたら、是非弊所へご相談下さい。

関連記事

些細なことでも遠慮なくご相談ください
丁寧な説明をお約束いたします

お電話からのお問い合わせはこちら
022-200-6536
受付時間(平日)9:00〜18:00
メールフォームからのお問い合わせはこちら
お問い合わせ・相談予約

初回相談は無料です(60分・要予約)

夜間・土日もご相談いただけます(要予約)

オンラインでご自宅からご相談いただけます

宮城県、仙台市以外の方でも対応しております

JR仙石線「榴ヶ岡駅」より徒歩9分