青色申告特別控除はどう変わる?令和9年分から最大75万円になる新制度を解説

◆はじめに
個人事業主や不動産所得がある人にとって、青色申告特別控除は所得税の負担を軽減できる重要な制度です。
これまでは、一定の要件を満たすことで最高65万円の青色申告特別控除を受けられました。しかし、令和9年分(2027年分)の所得税から制度が改正され、一定の要件を満たした場合には最高75万円の青色申告特別控除を受けられるようになります。
一方で、令和8年分(2026年分)までは認められていた「紙での確定申告による55万円控除」が、令和9年分以降は認められなくなる点にも注意が必要です。
ここでは、青色申告特別控除の基本から令和9年分以降の変更点まで解説します。

◆青色申告特別控除とは
青色申告特別控除とは、青色申告者が一定の要件を満たした場合に、事業所得や不動産所得などの金額から一定額を控除できる制度です。
令和8年分(2026年分)までは、主に「65万円」「55万円」「10万円」の3種類があります。
65万円の控除を受けるためには、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳し、貸借対照表や損益計算書などを確定申告書に添付したうえで、期限内に申告することが基本的な要件です。
さらに、e-Taxによる電子申告を行うか、一定の要件を満たす電子帳簿保存を行うことで、65万円の控除を受けられます。
これらの要件を満たさない場合でも、一定の青色申告者は10万円の控除を受けられます。

◆令和9年分から最高75万円
令和9年分(2027年分)からは、青色申告特別控除の制度が改正されます。
これまで65万円だった控除額の上限が、一定の追加要件を満たすことで75万円になります。
75万円の控除を受けるためには、従来の65万円控除の要件に加えて、次のいずれかを満たす必要があります。

・優良な電子帳簿を保存する
・デジタルシームレス保存の要件を満たす

優良な電子帳簿とは、単に会計ソフトで帳簿を作成するだけでは足りません。訂正・削除・追加などの履歴が残ること、帳簿間の相互関連性が確保されていること、取引の日付・金額・相手方を検索できることなど、一定の要件を満たす必要があります。
また、75万円の青色申告特別控除を受ける場合には、要件に応じた届出書を確定申告期限までに所轄税務署へ提出する必要があります。
なお、すでに優良な電子帳簿によって65万円の青色申告特別控除を受けている人については、一定の場合、改めて届出書を提出する必要はありません。

◆令和9年分からはe-Taxがより重要
令和8年分までは、複式簿記による記帳などの要件を満たしていれば、紙で確定申告をして55万円の青色申告特別控除を受けることができました。
しかし、令和9年分以降は取り扱いが変わります。
国税庁の資料によると、令和9年分以降は書面で確定申告をする場合の青色申告特別控除の上限額が10万円となります。
一方、e-Taxを利用して確定申告書や青色申告決算書などを期限内に提出することで、65万円控除の要件を満たせる仕組みとなっています。さらに、優良な電子帳簿の保存またはデジタルシームレス保存の要件を満たせば、最高75万円の控除を目指せます。
そのため、令和9年分以降も高い青色申告特別控除を受けたい個人事業主は、これまで以上に電子申告や電子帳簿保存への対応が重要になります。

◆まとめ
青色申告特別控除は、一定の要件を満たすことで所得金額から最高額を控除できる制度です。
令和8年分までは最高65万円ですが、令和9年分からは制度が改正され、一定の要件を追加で満たすことで最高75万円の控除を受けられるようになります。
特に重要なのが、令和9年分以降は紙による確定申告では55万円の控除を受けられなくなる点です。
今後も65万円または75万円の青色申告特別控除を受けたい場合は、e-Taxや電子帳簿保存などの要件を早めに確認しておきましょう。
青色申告特別控除について、ご不明な点がございましたら、是非弊所へご相談下さい。

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