ヤフオク・メルカリで仕入れた商品の消費税は控除できる?古物商特例と経過措置を解説
◆はじめに
ヤフオクやメルカリなどのフリマアプリ・インターネットオークションを利用して商品を仕入れている事業者にとって、仕入れの際に支払った消費税を仕入税額控除できるかどうかは重要な問題です。
特に、取引相手が一般の個人などで、適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)ではない場合、原則としてインボイスを保存して仕入税額控除を受けることはできません。
ただし、古物商が棚卸資産として古物を仕入れる場合には、一定の要件を満たすことで、インボイスがなくても仕入税額控除を受けられる「古物商等特例」があります。
また、古物商以外の事業者についても、一定期間は経過措置が設けられています。
ここでは、国税庁の「インボイス制度に関するQ&A(問106-2)」を踏まえ、両者の違いを解説します。
◆古物商ならインボイスなしでも全額控除できる「古物商等特例」
古物営業法上の許可を受けて古物営業を営む古物商が、インボイス発行事業者ではない者から、販売するための棚卸資産として古物を仕入れた場合、一定の事項を記載した帳簿を保存することで仕入税額控除を受けられます。
これが「古物商等特例」です。
例えば、古物商がメルカリの個人出品者から商品を仕入れるケースが該当します。
この場合、適格請求書を受け取っていなくても、古物商等特例の要件を満たせば、仕入れに係る消費税額の全額を仕入税額控除の対象とすることができます。
なお、古物営業法上、原則として1万円以上の取引では、相手方の住所、氏名、職業、年齢の確認等が必要です。
消費税の古物商等特例でも、一定の場合には相手方の住所・氏名を帳簿に記載する必要があります。
1万円未満の取引では、原則としてこれらの記載が不要ですが、物品によっては1万円未満でも本人確認等が必要となる場合があります。
◆古物商でない場合は「経過措置」で一定割合を控除
古物商ではない事業者が、インボイス発行事業者ではない個人などから商品を仕入れた場合でも、一定の要件を満たせば、インボイス制度の経過措置を利用できます。
2026年9月30日までの仕入れについては、仕入税額相当額の80%を仕入税額控除できます。
その後は、2026年10月1日から2028年9月30日までは70%、2028年10月1日から2030年9月30日までは50%、2030年10月1日から2031年9月30日までは30%と、控除できる割合が段階的に縮小し、2031年10月1日以降は控除できなくなります。
この経過措置を利用するには、一定事項を記載した帳簿に加えて、区分記載請求書等と同様の記載事項を満たす請求書等を保存する必要があります。
フリマアプリの取引では、取引画面を必要な記載事項を満たす電磁的記録として保存することも可能です。
また、帳簿上の相手方の氏名・名称については、フリマアプリ等の名称とアカウント名を記載することが認められています。
なお、2026年10月1日以後に開始する課税期間からは、この経過措置について、インボイス発行事業者以外からの課税仕入れの合計額が年間または事業年度で1億円を超える場合、その超過部分には経過措置を適用できない点にも注意が必要です。
◆古物商等特例と経過措置の違いに注意
両制度の大きな違いは、仕入税額控除できる割合です。
古物商が要件を満たして棚卸資産として古物を仕入れる場合は、古物商等特例によってインボイスがなくても全額控除が可能です。
一方、古物商以外の事業者が経過措置を利用する場合は、2026年9月30日までであれば80%など、時期に応じた一定割合に限られます。
また、単に古物商許可を取得していればよいわけではありません。
古物営業として仕入れていることや、必要な帳簿を適切に保存していることなど、特例の適用要件を満たす必要があります。
◆まとめ
ヤフオクやメルカリなどで商品を仕入れる場合、取引相手がインボイス発行事業者でなくても、一定の方法によって仕入税額控除を受けられる場合があります。
古物商が棚卸資産として古物を仕入れ、古物商等特例の要件を満たす場合には、インボイスがなくても仕入税額の全額を控除できます。
一方、古物商以外の事業者は経過措置の対象となる可能性がありますが、控除割合は2026年10月以降70%、その後50%、30%と段階的に縮小します。
したがって、フリマアプリ等から継続的に商品を仕入れて販売する事業者は、自社の取引が古物商等特例の対象となるか、帳簿や取引記録を適切に保存できているかを確認しておくことが重要です。
ご不明な点がございましたら、是非弊所までご連絡下さい。
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